バイラルメディア祭り2014夏” ~2015年のメディアの形を考える~

8/14 渋谷マークシティウェスト13階のCyber Agentセミナールームにて開催された「”バイラルメディア祭り2014夏” ~2015年のメディアの形を考える~」の参加レポです!(イベント概要はこちら

僕はサーバーエージェントさんの施設におじゃまするのは初めてなので、いささか緊張した足取りだったのですが…

なんと開始時間を30分勘違いしつつ2番乗りで着席し、今年初めての”お祭り”に足を運んだわけです。

これを書き会場のことを色々思い出すことで、なにかを”考える”力が生まれれば…と思って書きます。
というかメモを起こすだけですので雑記中の雑記だということをご了承ください

参加できなかった方、参加した方は「あぁ、そんなこと言ってたわ」程度のリマインドになれば幸いです。

「”バイラルメディア祭り2014夏” ~2015年のメディアの形を考える~」登壇者

以上の4方と、パネルディスカッション間際にBUZZNEWSの高木氏( WebTechAsia PTE LTD )も駆けつけてくださっていました。

どのサイトも、僕はとてもファンです!

では…それぞれのトーク内容を軽く思い起こしていきます。

佐藤慶一氏

【レポート】「”バイラルメディア祭り2014夏” ~2015年のメディアの形を考える~」行ってきました!

佐藤慶一氏(メディアの輪郭)

バイラルメディアとは?

  • 検索 < ソーシャル
  • Twitter < Facebook
  • PC < スマートフォン

主要メディア(海外事例)

BuzzFeed(2006年~)

  • 1億5000万UU/月
  • リスト(まとめ)記事
  • ネイティブアド収益が100億円超
  • Facebookいいね650万人
  • ニュース記事 << 調査報道記事
  • ソーシャル流75%

Buzzfeed最近の動向

  • 新社長が就任(YAhoo!,Huffington post経験者)
  • 5000万ドル(51億円)調達
  • メディアとして、表記ゆれなど文言の統一のため、スタイルガイド発表

Upworthy(2012年~)

  • MAX 1億UU/月(現在3,000万人ほど)
  • 50人隊製で1日10記事
  • 1記事あたり25タイトル案
  • Facebookいいね!650万人

最近の動向

  • フィルターバブル…検索エンジン、ソーシャルメディアのアルゴリズムでユーザーの嗜好で変化する”フィルタ”により情報の偏りが発生することを懸念
  • 外部組織との連携…PROPUBLICA、HRW
  • 指標の開発…アテンション時間

参考メディアとして挙げるならば

佐藤慶一氏まとめ

バイラルメディアの価値はゆらいでいる。既存の形以外にヒントあり
流通の次のコンテンツ回帰にどうするか。

CuRAZY伊藤氏

【レポート】「”バイラルメディア祭り2014夏” ~2015年のメディアの形を考える~」行ってきました! CuRAZY 伊藤氏|ツーブロッカ

伊藤氏(笑うメディア CuRAZY)

CuRAZYとは

  • メインユーザー30代~40代
  • 男女比50%
  • 笑いを科学する

コンテンツにおける「笑い」

SEOが苦手。検索されない。
対して、検索で求められるのはライフハック系。
笑いを求めている層に訴求。
それは、Web滞在時間の長いいわゆる”オタク”ではなく、”非オタク”の求める笑いに波及すべき。

最近の動向

サイバーエージェント・ベンチャーズ,株式会社ディー・エヌ・エー、 Skyland Ventures社より資金調達
オリジナルコンテンツの作成に充当とのこと

参考として挙げるメディア

MERY

SEO,ソーシャルの両方に強いコンテンツ。
物事の”あやふや”な部分から情報をもとめる女の子を上手にユーザーとして取り込んだ例。
ここから情報を得られるという信頼感→ブックマークなどしてくれ、ツール化している

海外展開は

英語圏→台湾の予定

孫(チョ・マテヨ)氏

【レポート】「”バイラルメディア祭り2014夏” ~2015年のメディアの形を考える~」行ってきました! ViRATES 孫氏|ツーブロッカ

孫(チョ・マテヨ)氏 (ViRATES – シェアしたくなるニュース)

孫氏はルポライター出身。
旅レポートや風俗レポートなど執筆経験あり。

ViRATESとは

  • 世界平和のために立ち上げたメディア
  • 3,000万PV/月
  • 400万UU/月
  • 同メディアのアプリは15万DL
  • モバイル流入85%
  • 20記事/日
  • 「社会」「笑える」がバズる
  • インテリ向けでないので、(作っている側が馬鹿だから、見ている側にも馬鹿がいるだろうとのこと…)ひらがなの多用を試みている。
  • 「リサーチャー」と呼ばれる、記事のトレンドや反響などのフィードバックから情報を収集する専門のスタッフが常駐している

編集部内のキーワード

  • アプローチ(人、対象のマッチ度)
  • ネタ、見出し、サムネイル(クリック数)
    …要素が2つ以上あると内容がボヤけてしまう。感情的な見出しを意識
  • 内容(満足ど、シェア率、離脱率)
    …6秒程度で内容が見えてくるように意識
  • 感情のボーダーライン
    …一直線でブレないようにタイトルをつけることで感情のボーダー突破

今後の目標

テレビ局、新聞社、既存メディアに活用していただければ。
動画制作、独自企画(取材記事、インタビュー)

吉盛氏

【レポート】「”バイラルメディア祭り2014夏” ~2015年のメディアの形を考える~」行ってきました!Grape 吉盛氏|ツーブロッカ

吉盛氏 (Grape -「心」に響く動画メディア)

Grapeとは

  • スマホ時代の新しいメディアの形
  • 500万UU/月
  • モバイル流入88%
  • 男女比…男45%:女55%
  • 現在400万いいね(月平均100万いいね)

ヴァイラルする条件は?

  • Facebookの最適な運用
  • ネタの収集、選択、記事の書き方
  • サムネイルとタイトル

ネタの収集について

自社製のツールを開発・運用/他社製のツールを複数利用
ライター、コントローラーが「選択指数」に基づき集まった記事の優先順位をつける

記事の書き方について

  • コンテンツにタイトル・サムネイルでバイラルするのは一握り
  • 起「承転結」が重要。しぇあしたくなる展開が重要
  • 「起」はサムネイルとタイトル

パネルディスカッション

【レポート】「”バイラルメディア祭り2014夏” ~2015年のメディアの形を考える~」行ってきました!パネルディスカッション|ツーブロッカ

ここからBUZZNEWSの高木氏が参加され、4人で質問に答えるという展開になりました。

以下、質問と回答内容(省略しています)です。

キュレーションの便利ツールは?

現状、Twitterフィード最適化が最強(BuzzFeed社調説)

独自コンテンツの展開は?

コンテンツメディアと提携(TV,マンガなど)
パクられるのは仕方ない。”ネタ元”になることを目標。独自コンテンツは時間・費用的なコストがとても実績に見合いそうにない

マネタイズについて

  • CuRAZY…クリエイト面を強化して考えていく
  • ViRATES…広告。動画制作、ネイティブアド
  • Grape…広告。ネイティブアド、ユーザビリティに欠けるがフィード広告
  • BuzzNEWS…広告。
    FB攻略し、TV/ゲーム/マンガにかわるエンタテイメントになっていきたい
    ユーザーに広告を作らせてはいかがだろうか?広告までオモシロイのが一番!

個人メモ

記事収集は無料ツールなどもあるらしく(多くは自社開発のイメージ…)限りなくオートマティックにできるが、最終的にはマンパワーが必要

FacebookとGmailを連携させるアイディアもあり、とても参考になった。が、これもやはり最終的にはマンパワーが必要。

片手間でバズらせるのはもはや”運”次第だが、最初はやはりサイトのブランディングより大衆受けする記事を投稿するほうが先決(BUZZNEWS高木氏より)

サイトコンセプトはある程度ジャマになる可能性がある(「感動する」や、「心に~…」などエモーショナルなキャッチなど)。記事の内容に対して反対派など、ネガティブなイメージが有る場合にトラブルになったことがある(Grape吉盛氏より)

さいごに

cybeagent

ネットを観ていたりすると、たまに見かける記事で「バイラルメディアって動画あつめるだけでしょ?」的な意見が見受けられます。

そう思っている方がWEB業界に居らっしゃることもまた事実です。

たしかに、単純にそうしてきて上手く行った事例もあるでしょう。僕も色々調査していると、引用と無料WordpressテーマだけでFacebookいいね!やツイートを獲得しているサイトもあります

しかしそのイメージ、それはもはや完全に間違いですね。

この日登壇された方は日本でもトップに値するメディアの運営者であり、それだけのファンを抱えることは同時に次なる戦略への必要性現状への危機感を抱かせることでしょう。

バイラルメディアはあくまでも足掛かりにすぎず、後のエンターテインメントを生み出していくべきなんですね。

佐藤慶一氏も仰っていますが「バイラルメディアの価値は揺らいでいる」と・・・

本来このジャンルの持つ”良さ”は、オモシロイもの…楽しいもの…感動するもの…というような人間の短絡的な欲求を満たすところにあり、それって誰でもできるし、だいたい同じ所に集約してしまうんですよね。(同じ動画、おもしろい画像がいろんなサイトで紹介されているように)

だからそこで差をつけて生きていくためには独自コンテンツも正解でしょうし、デザインとかUX的な面でよりよい価値観を与えるのも正解でしょうし、

やはり既存の「バイラルメディア」という形にとどまっていては勝機はないんでしょうね。この日の話を聞いててすごく感じました。また、登壇者の方もそう感じているでしょうね…うん、たぶん…

「バイラル」(ウィルスが感染するように)だけに、できるべくして抗体ができあがっているのです、市場には。

あれ、もう少しかっこ良く締まる予定だったんだけどな…

 

でわ!

投稿者 satohmsys